《将军在上》(花と将軍)のファンタジックかつナチュラルな官能
趣味で発行した同人誌、『みんなの萌え語り文集』からの転載です。
最近は現代劇ばかり見ているのですが、わたしは中国ドラマの入りがお馴染み金庸老师の射鵰英雄伝(2002の张纪中版)だったので武侠ものとか古装のほうが好きだったりもします。
というわけで、《将军在上》邦題は『花と将軍』についても同人誌に書いたのでそちらを載せます。
2017年の作品なのですが、このドラマ個人的にかな~り好きなんですよね。
DVDBOX買ったし……。
何よりも衣装やメイク、演出のビジュアル面がツボに刺さりまくったのが懐かしい。
これも複数回視聴に耐えるものだなと思っているので、またいつか見返すかもしれませんね。
この同人誌用の文章を書いた当時よりもさらに昔に見たので、けっこう前だわ。
ちなみにタイトルにも「官能」と書いたように、主に作品中の主人公夫婦の初夜について書いた感想となっています。
さて、以下は同人誌本文より転載です。
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《将军在上》(2017)はWEB小説のドラマ化で、邦題は『花と将軍』。
辺境の防衛にあたっていた葉家の将軍が実は女性であり、彼女の存在を認めるかどうかという時に、「結婚する」ことが条件になります。そんなわけで、猛将・叶昭と皇帝の甥っこである赵玉瑾の結婚が決まるのですが……。
色々を雑にくくってしまえば、(主役に限り)男女逆転ファンタジー史劇です。
マザコンで病弱で無職で臆病者で遊び好きなボンボンの赵玉瑾。男として生きてきて女の振る舞いを知らず、天下兵馬大将軍として高い地位を得ている叶昭。
そんな色々と正反対で問題だらけな夫婦がだんだんと互いを認め合い、愛情と絆を育むというのがこのドラマです。
とにかく外連味があるというか、大げさで派手でドラマティックかつファンタジックな演出が特徴で、中でもスローモーションの映像と、巨大な扇風機で人物の髪をばっさばっさとなびかせるのが美術監督のお気に入り。大事なシーンはだいたいそんな感じで、どぅわーっといい具合の音楽が流れるなか夢のような映像を見ることになります。
なかでも今作、官能表現において上の手法が多用されています。赵玉瑾と叶昭の初夜は当然失敗(というか赵玉瑾の拒否により消滅)するのですが、心を通い合わせた2人の間にはその時が訪れることになります。
この時(15話)の映像が、このうえなくファンタジックなのです。
赵玉瑾と叶昭は、現実ではないどこかの1本の木の周辺でめぐりあう。叶昭は赤い花舞い散るなか木の枝に寝そべり、赵玉瑾を見下ろす。誘うようなまなざしで。木登りができない赵玉瑾は無様に転びますが、叶昭が彼を抱いて枝の上まで運びます。裸足を赵玉瑾の身体に絡め、「お前を思っていた」と言う。とにかくめちゃくちゃ赤い花びらが舞っている。うっかり木から落ちそうになった赵玉瑾を引っ張り上げ、倒れ込んだ2人のキス。とにかく直接的で官能的で、幻想的な映像。
そして現実の寝所に戻り、2人はそわそわと寝台のカーテンを下ろすのです。それはもうブォンブォンと送風されカーテンや脱ぎ捨てた衣服はドラマチックに翻り――ふぁーふぁーふぁーと壮麗なテーマが流れていく~!
タイトルに「ナチュラルな」とつけたのは、この映像の中に「新妻の恥じらい」とか「散らされる」的な、おなじみのあの感じがまったくないからです。花、降り注ぎまくってるしな。この2人の関係性というのはかなりフラットであり、上になったり下になったり(いろいろな意味です)、とにかく対等であらんとする意志を感じるキャラクター造形になっている。だからこそ安心して見られる夫婦のセックスの表現で、それは初夜以後も続きます。様々な愛情表現が登場しますが、どれもファンタジックな映像を用いながらも、特にこの2人の場面においては映像とは対極の自然さを強く感じました。
このドラマは本当に語るべきことがたくさんあるのだけど、今回はとにかくこの官能について語りたかった。主演ふたりの色気のすごさをぜひ鑑賞してほしいです。普段は2人ともまったくエロティックな人物造形でないところがミソですね(大体、あのファンタジックな木のシーンでも、赵玉瑾はずっと滑稽だし)。なのにその延長線上にこれほどの官能があるという意外であり意外でない……というか……とにかくあり方が良いというか……。
各種配信サービスで有料・無料で鑑賞可能です。
Netflix使いのひとはNetflixでみよう。単に映像の美しさでも十分はまれるドラマです。衣装とか演出のこの仰々しさが大好きで、色々な欠点があってもおつりがくると個人的には思っています。
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