【視聴完了】《以家人之名 Go Ahead》感想(5)
《以家人之名 Go Ahead》
YouTubeでは2020年8月11日から配信が開始したばかりのホカホカのドラマです
主演は谭松韵 / 宋威龙 / 张新成の三人。
全40話。
以下ネタバレ注意です。
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というわけで……とうとう……終わって……しまった……。
32話~40話、最後の感想記事です。
なんかもうラストまで見るのがあまりにも名残惜しく、寂しく、しばらく時間を置いてしまいました……。それもとうとう終わり、昨日ようやく40話までを観終わったところです。もう寂しいね。でも良かった。
本 当 に 良 か っ た よ !
この気持ちでいっぱいで、こう長々と感想を書く気持ちが少しなくなりました。
もう見てほしい。
キラキラのパッケージングをせずに日本に持ってきてほしいです。
これは本当に、ジャンルでいうと「ラブ」でなく「家庭」あるいは「青春」ですね。
32話~40話の時点で残っていた主な問題は、
●贺梅と子秋
●陈婷と凌霄
という感じでした。
また、新たに生じた問題としては、
●李尖尖の盗作疑惑
ですね。
ここにきて割とヒロインに初めてと言えるピンチが訪れます。
サブプロットはそれでまとめて後述しまーす。
このドラマ、大まかな展開の流れは予測できるものの、デティールは本当に予想のつかないことが多かったです(だから前回記事で書いたような過去回想の使い方が効果的になるのですが)。
●贺梅と子秋
本当にこの問題のうち贺梅と子秋の親子のお話が結構心に来ましたね。
みんな人生ハードモードなんだけど、私は贺梅がそんなことになっていたなんて全く予想ができませんでした。
悪い人ではないし和解してほしいと願っていたものの、ここにきて彼女が子秋の前に顔を出せなかった本当の理由や再婚・新たな生活があるという嘘をついた理由がハッキリします。
贺梅はたたずまいもそうですが、本当に苦しい時代を女同士の絆で乗り越えてきた人で、そういった女性の関係の扱いはとても良かったと思います。もちろんそこには協力的な男性の象徴として海潮もあり、それは後々20年越しのお見合い結果として結実するわけですが。
エンディングロールで流れる贺梅と子秋のカットがまさか最終話だとは思いませんでした。
あのシーンの後の子秋が非常に嬉しそうなのが印象的でしたね。
贺梅とすぐに仲良し親子になれるわけではなく、面と向かうと何を言っていいのかわからないという風に戸惑いがちになる子秋が、実は本当に母親のことを愛していて、という。
子秋ラインでいうと終盤に李尖尖の盗作疑惑と絡めて、赵华光が再登場したのが意外でした。ここまで割ときっちりと片付けてくれるんだな、というのがすごくスッキリさせてくれましたよね。
子秋が「大人になる一瞬」は、母親と向き合うことよりも赵华光との対面の、あの気まずいシーンにもよく表れていたのではないかと思います。
お互い意見が違うとハッキリ告げながらも、もう子秋は彼を闇雲に嫌い、顔を背けない。
他人として向き合い、彼のことを知る。
その距離感と決別が素敵でした。
あんな嫌な人物だった旧時代的な赵华光ですが、その家族観の良い側面もあの病院のシーンに出ていて、こんな最終盤で悪役の違う側面を見せてくるのかと驚きましたよ。
かなり好きでした、あのあたり。
●陈婷と凌霄
これはも~最後まで本当に胃がキリキリするやつでしたね。
陈婷は本当に本当に難しいキャラクターだったと思います。
そして家族だけでケアをすることの困難さをとことんまで突き付けてきたと思います。海外ロマンスだと「あなたはカウンセラーに行って」みたいな愛情ゆえの外注がよく登場するのですが、どこまでも内側に閉じていってしまうんですよね。
このもどかしさと暗さ、辛さ、外部の人間を拒んだ果てに身近な大切な人たちを傷つけてしまうジレンマ。
陈婷は不運な人で、哀れだと思います。
彼女はこのドラマにおけるいわゆる悪役なのですが、それでも「本当に嫌な女だった!」なんて言えないですよ。
最後の展開はご都合主義的なところがありましたが、そうしてハッピーエンドにしてくれてよかったとおもいます。彼女と二人で暮らす小橙子にはおそらくまだ試練やトラウマがあるでしょうが、それでも光のある展開でよかった。
凌霄も小橙子も「それでも母親だから」というようなセリフを言うんですよ。
シチュエーションは違っても、彼女を母親と認めて家族だから受け入れようと努力する。
だからつなぎとめた命であって、これからはまた(凌霄と尖尖が結婚したら)家族として新たなつながりを得ることができるだろうと希望を持たせてくれました。
そして最後の方になって、陈婷が「云云」のことを口にするシーンも切なかったですね。
ほとんど出てこなくなっていたし、凌霄も持ち出さなくなっていた過去の悪夢。
陈婷が小橙子を見てそう言った時、ものすごく胸が締めつけられました。
また、最終話のシンガポールへと帰る陈婷と和平の短い会話。
そこでも「云云」の名前が出ました。
そう、思い返せば1~3話の和平ってわりとダメな父親の典型のような像でしたから。ここで彼も謝るんです。自分が悪かったともう、さすがに、わかったんですよね。
和平はあまりフューチャーされないながらも、彼と凌霄との親子関係は大人になってから随分変化しましたね。和平が子供のために何かしよう、何かしなくちゃ、と頑張る様子はとても微笑ましかったです。凌霄が27歳になってようやく、という感じですが、彼も「親」になれたのかなと思います。子どもの頃のことを話すシーンなんて、どれも良かったですよ。
ちょっと意外すぎてシリアスなのに笑ってしまったのは、尖尖の恋愛相談の树洞がもう一度登場したところですねえ……。
あれコミカルなシーンですごくおバカで笑ったのですが、まさかまた出ると思わないじゃないですか!!
しかもあれがきっかけで陈婷が自分を省みるとか!!誰が予想できる!?
この辺は最終話だし、そこまで気になったわけではないのですが。おもしろかったです。
とにかく陈婷には幸せになってほしいですよね。
そして新たな家族としてやり直してほしい。きっとできるよって思います。
●李尖尖の盗作疑惑
これはどちらかというとコメディチックな要素が多く、子秋と赵华光の関係性や凌霄のシンガポール時代の回想を挿入するための展開です。
それでもこのドラマ初めてといえるくらいのヒロイン本人の問題にして試練なんですよね。
いやー、尖尖はやっぱり強いよ。
あらためて思った!
このドラマはね、海潮と尖尖の李親子が揺るぎない存在だから成り立つんですわ!
とめっちゃ思った。
もちろん尖尖だって落ち込むし弱るけど、彼女は誰かを疑ったりしないから。
そして周りのみんなが必ず助けてくれる。
お兄ちゃんたちもそうだし、アトリエの学姐もそうです。
(周淼とかいうゴミもいましたが、まあそれは置いておいて)
彼女を取り巻く友人関係や家族関係、愛情の数々がこのエピソードの上に集結し、たとえば元カレの燃までまた出てきてくれて。子秋と一緒に疑惑を晴らすための主要な役割を担ってくれるわけです。素晴らしかったね、本当に。
なのでスッキリもするし、プロット上では他の展開を引き出すための要素ではありましたが、尖尖と彼女を取り巻く人間関係の温かさをしっかり伝えてくれるいい話でした。
辛くても明るくいつも通りに振舞おうと頑張る尖尖の前向きさや力強さがよかった!
あと「アイスたべにいく?」って優しく誘う凌霄がヤバすぎてヤバすぎた。
という感じで、メインプロットはこう怒涛の勢いで進んでいきましたね。
本当にあっという間だった。
メインといえば海潮と贺梅の恋愛なんかも非常に良かったけどね!
そして負けず劣らず素晴らしかったのがやっぱりサブプロットですわよ……。
こっちもメイン級にクソ重い話が多くて、特に明月とその両親の話はすごかったですね。
●明月
マンション問題を契機に、母親との対立線をハッキリさせた明月。
過去の「反抗」の数々を暴露して、怒号と号泣入り混じる大喧嘩になってすごかったですね。明月ママめちゃくちゃ怖いしよ。
で、そこからがもう大変。
我慢の限界を超えた明月パパの「離婚だ!」からガチ喧嘩に発展し、明月はひどく動揺します。自分を責めてしまう彼女はそれでも、色々な人の言葉を受けて変わっていく。変わってきた、ずっと。
この離婚はもう揺るがないんですね。
自分はこのドラマの彼女たちと同年代なので、今もし両親が離婚すると大喧嘩を始めたら……と想像するとやっぱり動揺するかなと思いましたわ……。
それでもその後の展開が良かった。
特に明月とママとの和解シーン。
二人とも感情が昂るとすぐに涙が出て、ママのその演技も素晴らしかったし、あそこで謝る明月もすごく良かった。
「私じゃなくて自分に謝りなさいよ!!」って叫ぶママ、その後自分の頬に張り手をするところなんか本当にショッキングで大袈裟で、それでも心に刺さるシーンだったなと思います。
明月の反抗の仕方というのはどこまでも問題の発覚を恐れ、自分を下げることによって成立するものだったので、こうね……唐灿とはまた違う苦しさに溢れていて。
それでも泣きながら自分の夢を語る明月。
反抗ではなく、「これが本当に自分がやりたいことだから」と正面切ってハッキリ伝えることで、初めて母親と通じることができる。
これ以上ないほどの和解シーンで、もらい泣いた(もらい泣きがち)。
また、両親の話とは別に庄北への謝罪のシーンも良かったと思います。
自分のことが大嫌いだったから、自分に好意を寄せる彼が気持ち悪くて理解できなかった。
この感情の流れはものすごくわかりやすいし、それでも変わった後の明月が謝るのが良かったし、庄北の対応も良かった。
この時点の庄北はすでに明月に恋愛感情はなく、むしろかつて一度振った唐灿の素顔を見て彼女に惹かれているという複雑な状況だからこそ良かったよ!
明月は北京で成功してほしいね……!
本当にできる子だから、あとはゆっくりでも自信をつけていくことさえできれば、きっと彼女はバリバリに大活躍する女性になるのじゃないかなと思います。
●唐灿
私が一番好きだったキャラは唐灿かもしれない。
ほんとも~~~~~~~~ね!!!
このまま博物館で終わる女じゃないってわかってたよ!!!
でもそのきっかけが庄北とその母親というのが非常に面白かったです。
レンタル他人(?)のアルバイトを通して知り合った庄北の母親で、ご機嫌取りの麻雀相手なかをするうちに本気で気に入られてしまって。
で、それって鬱陶しいことと思いきや、庄北の母から唐灿への愛情って本物なんですよ。
彼女をリスペクトしている。
昔の映像なんかもきちんと見て、彼女の才能を確信しているんです。
すごいことだなと思いました。
まったくの他人が、てらいなく唐灿の才能を認めてくれたからこそ、唐灿はもう一度演技の道に戻ろうと決心したんだなと。
それはあのバカにされてきたアルバイトのおかげでもあり。
唐灿はあのバイト、嫌いじゃなかったと思うんですよね。
本当にさりげなく挿入された、老人と映画を見るシーンがちょっと前にあったんです。
認知症の老人の、若い頃の妻の振りをして一緒に映画を見るという仕事です。
あのシーンは後に触れられることもないのですが、あそこで「ありがとう」と言われる唐灿は仕事にやりがいを感じていただろうと思われました。
だから本当に、「自分は演じるのが好きなんだ」と再び確信を持ち、「スターになるためじゃない」とテレビの仕事から舞台俳優の道を見つけた唐灿。
庄北のコネクション(と下心)からそのチャンスをつかんだ唐灿は本当に輝いてたよ。
マジ輝いてたよ。
あのオーディションの辺りとか、台本を開くまでとか、もう私は拳を握って「唐灿、あんたは輝いてるよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」と叫んでました。
唐灿は本当に素敵なキャラだった。
庄北が惚れるのもわかります。
というのも、彼の前で自分を飾り立てて演じるのをやめた素のままの唐灿こそがやっぱり本当に魅力的だからですよ。前向きで、楽天的で、それでもいざってときには怯えちゃう唐灿。昔の失敗の経験に母親との対立など、色々なトラウマじみた傷を抱え、負い目を感じながらも、彼女は常に戦うことを選択した。
100年だって抗争してやるわよ!
なんて宣言しながら母親と言い合いになるとしょんぼりするのも可愛らしかったですね。
それでも唐灿のおうちでは父親が本当にものすごいバランス感覚で彼女を愛し守ってくれる存在であるので、あまり重くなりすぎずに素敵に明るい展開になっていたと思います。
がんばって、唐灿。
●小橙子
難しい子でしたねえ。
彼女も凌霄と同じ時間を過ごして来たと思えば、本当に大変な子ですよね。
でも、いっつもむくれてた小橙子が中国に来てから徐々にその表情を変えていくのがすごく素敵だった!
子秋のお店でのアルバイト編がものすごくよかったですねえ。
子秋は小橙子のことを「凌霄の妹なら俺にとっても半分は妹だ」って宣言するし、ほんとあいつ面倒見良くてさ……。
海潮の守護霊も見えたよ、小橙子を諭すところ。
だから小橙子が尖尖にごめんなさいをするところが素敵でしたね。
いやほんとねえ、あんな昔のこととっくに忘れてると言われても、17歳の10年と27歳の10年は全然違うんだよねえ。
だから小橙子が尖尖に嫌われて当然だと思うのも頷ける話で。
彼女は一番守られてほしい存在ですね。
子秋と小橙子は本当にいいコンビだったので、これからも仲良くしてほしいです。
いやざっくりとしか書いてないのにやっぱり長くなっちゃったね。
最後の集合写真の絵、本当に泣けたよ。
マジでいいドラマだった。
この家族が法上の家族「にも」なる、という終わらせ方が良かったね。
なぜならそれは子秋が長く望み続けたことでもあったから。
多様な家族の形というよりは、ひとつの少数の家族の形を丁寧に描き切った良作だったと思います。
本当に脚本が良かった。
お国柄難しいかもしれないけれど、ここにもっと登場人物の多様性があっても面白かったなと思います。
でもとっても満足でしたわ……。
めちゃくちゃ泣いたし、笑ったし、もちろん宋威龙はいつでもめちゃくちゃかっこよかったしさ。
このブログのサブタイトルは最初に衝動的につけたやつだけど、そういうんじゃねーから!!って自分に言いたいよ。
このドラマは恋愛ドラマではない!
と思います。
ぜひ日本にきてほしい。
その際はピンクキラキラはやめてほしいし、『兄に愛されすぎて困ってます』もダメだよ。
このテイストのままできてほしいねえ……。
そうしみじみと願っちゃう系ドラマだったわ。
40話の最初から最後まで面白くない展開がなかったし、登場人物の繋がりもどこまでも良い方に作用しているのが面白くて、温かみと人間の繋がりを丁寧に描いてくれてよかった。
あとマジで海潮がいい人すぎて最後の方で死んだらどうしようと思ってたけどそんなこともなくて良かったよ。
マジでありがとうな、《以家人之名》。
最高だったです。
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